行方不明のあの人の相続はどうなる?

無念な気持ちを思うと
胸が痛みます

 

 

昭和52年11月に北朝鮮に拉致された
横田めぐみさんの父で
拉致被害者家族会の前代表

横田滋さんが5日午後
老衰のため川崎市内の病院で死去した

 

ニュースで聞く拉致って
あまりにも自分の生活に縁遠くて
ピンとこなかったけど

 

旅行で日本海の方へ行ったとき
「不審船に注意」という看板を
海沿いに見かけて

 

「あの国」から不審船に乗って
拉致しに来る人がほんとにいるんだ
拉致って現実のことなんだと初めて気づく

 

昔、小泉純一郎首相が
電撃的に北朝鮮を訪問して
拉致された日本人を連れ戻したけど
そのなかにめぐみさんはいなかった

 

私も子どもがいて、もし自分の子どもが
誰かに連れ去られたらと思うと
他人ごととは思えません

 

早く一刻も早い
拉致被害者の安否確認が待たれます

 

私の性(さが)というか職業病というか
横田滋さんが亡くなったニュースを聞いて

 

なおひと
相続はどうなるんだろう?

 

反射的にそう思ってしまうんです

 

通常お父さんが亡くなると
相続人は配偶者であるお母さんと
その子どもたち

 

滋さんの場合であれば
相続人は妻の早紀江さんと
子どもは双子の男性とめぐみさん
妻と子ども3人が協力して
相続の手続きをする必要があります

 

横田さん夫妻は
めぐみさんの生存を信じているし
死亡届も出されていないだろうから
法律上は生存しています

 

なので俗な言い方をすれば
めぐみさんのハンコがなければ
亡くなった滋さんの相続手続ができません

 

滋さんが
「めぐみさん以外の人に相続させる」
という遺言書を作っていれば良いけど
そうでなければ

 

失踪宣告

 

失踪宣告という手続が必要となります

 

なおひと
失踪宣告とは


失踪宣告とは

行方不明になっている人を
法律上死亡したことにする手続

 

失踪は行方不明になった原因によって
「普通失踪」と「危難失踪」に
分けられていて、それぞれ
条件が異なります

 

なおひと
普通失踪と危難失踪

 

【普通失踪】
行方不明になって
7年間生死が明らかでない場合

【危難失踪】
戦争、船舶の沈没、震災などの
危難に遭遇して

その危難がやんだ後
1年間生死が明らかでない場合

 

失踪が宣告されると
普通失踪では行方不明になってから
7年経過したときに

 

危難失踪の場合は
その危難がやんだときに
死亡したとみなされます

 

 

なので失踪宣告をすれば
めぐみさんが生存していても
法律上は亡くなったものとして
めぐみさん抜きで相続手続ができます

 

めぐみさんの死亡は法律上は
おそらく13歳で失踪してから
7年経過後の20歳とされるでしょう

 

ところで、めぐみさんには北朝鮮に
めぐみさんの娘とされる人がいますが

めぐみさんの失踪宣告が認められれば
その人も抜きで相続手続きできます

 

かなり前に私もこの失踪宣告の申立を
家庭裁判所しましたが

法律上「人を死なす」ということは
簡単じゃない

 

細かい流れは忘れましたけど
家庭裁判所も警察やら役所と連携して
徹底的に調べて手続をすすめます

 

結局私が申立てた失踪宣告は
裁判所が検察庁から情報を得て

 

裁判所
失踪したとされる人は
〇〇刑務所にいるから
失踪宣告できない

 

という結論で終わりました

 

 

この刑務所にいる人へのコンタクトも
メチャ大変でしたけどね

 

失踪まではいかないけど
不仲で長年音信不通の子どもがいる

 

そんな身内がいる方は
遺言書を作るように勧めてあげてください

 

不仲とか音信不通の状態では
後々の相続がとても難航することが
目に見えているからね

それではまた!

好きです司法書士

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